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OOTPの基本的な攻略 その5

1.はじめに

 皆さんごきげんよう。今回も前回の続きである。繰り返しになるが、私が紹介する話は経験談であり、データーや理論に基づかないチラシの裏だと思ってほしい。

 

 

2.チームの勝利とドラフト順位

 MLBではNPBと異なり、ドラフトでは基本的に前年度の勝率の低いチームから指名し、抽選無しで指名選手との交渉権を得る。この制度があるために、タンキングが行われる原因になっている。だが、あまりタンキングというものを知らない方は積極的に負けることをタンキングだと思っている節がある。ただ、積極的に負けることはタンキングではなく敗退行為だ。タンキングとは勝利をコストにして、何らかのメリットを得る行為である。そこで、今回は簡単にタンキングについて紹介する。

2-1 基本的なタンキング

 MLBでの最終目標は間違いなくワールドシリーズ制覇である。そのためには最強のチームを作らなければならない。この最強チームを作るためには強い選手をかき集めなければならない。

 これはシンプルではあるが、難しい。なぜなら、強い選手は年俸が高い。そして、前述したように基本的にMLBでは強いチームはドラフトでは不利になる。そして、大事なことだが基本的にワールドシリーズで勝つためにはスーパースターが一人いればいいのではなく、複数人、できればすべてのポジションに1流以上の選手が必要になる。そのため、普通は生え抜き選手とFA戦士を組み合わせてチームを作り上げる。だが、財政基盤が弱いチームはFA戦士に頼れる予算が少なく、生え抜き選手の比重が多くなる。そのため、ドラフト戦略を練り、一回のドラフトで少しでも多くの有能な選手を獲得しなければならなく、非常に難易度の高い選択をしなければならない。

 だが、そんな難しいことをしなくともドラフト成功率を上げる方法がある。その方法こそが、今回紹介するタンキングである。すでに前述したが、MLBでは基本的に前年度のシーズン勝率が低いチームから選手を指名し選手の指名権を得る。NPBの場合は、全チームが指名を行い、指名選手がかぶった場合、くじ引きが行われるが、MLBでは指名した段階で選手との交渉権を得る。そのため、MLBでは指名被りなどはなく、ドラフト指名順位が早いほど、自由な戦略でドラフトを行う事ができる。この制度は前年度弱かったチームのボーナスでもあり、前年度強かったチームへのペナルティでもある。所謂戦力均衡策として、野球だけではなくアメリカのスポーツでは幅広く行われている制度である。

 だが、この制度を少しひねくれた見方をすると、負ければいい順位のドラフト指名権を得られるともいえる。そこで、あえて自チームの主力選手を相手のプロスペクトとトレードし自チームの戦力を下げ、数年間にわたりゲームに負け続け、ドラフト指名順位を数年間にわたりよくする。その後、いい指名順位で獲得したドラフト指名選手、トレードで獲得したプロスペクトを一気に開花させ、最低年俸あるいは年俸調停時の年俸で選手を雇える時に、余った予算で足りないポジションをFA補強する。そして、一気にチームを強くする。この一連の戦略をタンキングという。

 このタンキングを行う際の注意点としては、戦力が中途半端にそろえるのは非常にまずい。散発的にドラフトで早い指名権を獲得し、散発的に選手が育った場合、ドラフトで指名した選手がFAや年俸調停で年俸が上昇したころに、その選手の年俸に予算が圧迫され、FA予算が足りなくなる。さらに、FA資金を準備できた時には、生え抜きの主力選手がいないという状態になる場合もある。繰り返しになるが、ワールドシリーズ制覇には強いチームが必要で、強いチームとはほとんどすべてのポジションを一流の選手で固める必要がある。であるから、財政基盤が弱いチームほど生え抜き選手がコスパがいい時期と、FA資金を投下できるタイミングを一致させなければならない。そのため、思い切って数年間負け続けておけば、短期でチームのプロスペクトが充実し、彼らを同時期に昇格させることで多くのポジションを有能な最低年俸選手で固めることができる。多くの批判があるが、これは現実でも行われている手法である。

2-2 失敗できるのは今

 さて、戦力を手放したのならアクティブロースターには戦力が足りなくなっているはずだ。その時、タンキングを積極的に負けることだと考えている方は適当に選手を昇格させているのかもしれない。だが、それは非常にもったいない行為だ。以前から何回も言及しているが、OOTPでは40人枠に登録されるだけでも選手は成長するし、試合に出場するだけでも成長するからだ。であるから、タンキングをしているのなら積極的に有望な若手を出場させた方がいい。だがあくまでも、昇格させるのは”有望な若手だ”。”足りないポジション”の中での有望な若手という意味ではない。別に25人枠の中に3Bの適性を誰も持っていなくともタンキング中なら問題にはならない。なぜなら、だれも3Bの適性を持っていなくとも、AIは誰かを3Bとして起用するからだ。つまり、それはコンバートを意味する。きっと守備はガタガタになるが、ゲームの進行には問題ない。

 そして、この守備がガタガタになるというのはデメリットのように思えるが実際にはメリットであると言える。なぜなら守備がガタガタになるほど失点が増えるからだ。つまり、負けやすくなる。それはタンキングが短期的に目標としている上位指名でのドラフト指名権の獲得につながる。であるから、タンキングの目的と合致することになる。

 タンキングはシーズンの成績をコストにしてチームの長期的な目的を達成する行為である。この期間を無駄にはしてはいけない。OOTPは40人枠に登録されること、試合に出場することで成長し、他のポジションで守ることでポジション適正を得る。であるから、チームが負けているときでも選手は成長する。負けることに執着して、将来性のない選手に成長の機会を与えることは勿体ことだ。

 

2-3 その控え選手は必要か?

 タンキングは負けているチームが主力を手放し、プロスペクトを得るという行為であると思っている方が多いと思う。だが、それは現実の話である。OOTPでは勝っているチームもタンキングができるし、王朝を作りたいのであれば勝っているときもタンキングの選択肢を放棄してはいけない。

 なぜなら、野球は勝率が上がるとドラフト指名順位が遅くなるからだ。シーズンで最高勝率をたたき出してしまうと、見かけ上ドラフト指名順位が最下位になる。あくまで、見かけ上というのは、大体どこかのチームがFA補償で1巡目指名権を喪失している場合が多いからだ。とはいえ、その場合でも大多数のラウンドで最下位の指名順位になってしまう。であるから、基本的にはワイルドカードからのワールドシリーズ制覇がドラフトにおいて最も効率の良い勝ち方だ。

 だが、そんなことを推奨しているわけでは無い。確かにワイルドカードからのワールドシリーズ制覇は素晴らしく、シーズン勝率がすべてではないとはいえ、基本的にシーズン勝率が高いチームがワールドシリーズ制覇に最も近い。厳密にはシーズン勝率は所属地区であったり、シーズンの対戦チームの強さに影響されるため、正確な実力差の通りに並ばないが、おおむねシーズン勝率は実力順になる。

 そこで、仮にシーズン勝率が100%のチームがあったとしよう。間違いなくこのようなシーズン勝率をたたき出せるのならワールドシリーズで勝てるはずだ。だが、ワールドシリーズで安全に勝つことを優先して、このチームが7/31日までに何人かの選手を放出しないのは、結構もったいないチーム運営である。もっと言うと、シーズン勝率100%でシーズンを終えることがもったいない。できる事なら、トレードで選手を放出すべきだ。なぜなら、勝率が100%でなくともワールドシリーズ制覇は達成可能であるからだ。おそらく、シーズン勝率90%でも優勝できるし、70%もあればほとんどの場合で優勝できるだろう。

 多くの場合、高いシーズン勝率を誇るチームは控え選手も有能である。しかし、それ以上にスタメンは有能であるはずだ。つまり、控え選手を放出したところでそこまで戦力は下がらないし、シーズン勝率の高いチームの控えは他チームではスタメンになれる可能性があり、トレード対価としても優秀だ。さらに、控え選手というのは大事な戦力ではあるが、能力が足りないものをその役割に当てはめることで成長を促すポジションに変えることも出来る。さらに、通常成長することを期待している選手は最低年俸であるから、控えを成長が期待できるものに割り当てることはチームの人件費削減も期待できる。であるから、シーズン勝率が十分に高いのなら控え選手を放出してみてはどうだろうか?。きっと、チームの戦力は落ちるだろうが、シーズン勝率が十分に高いのなら、それは問題にならない。さらに、チームが成功しているときは多少の失敗は許される。ぜひ、勝っているときこそ若手の育成を考えてほしい。

2-4 10/5ルール

 上の項目では、勝っているチームがタンキングを行うメリットについて書いた。そして、私は控え選手の放出を提案したが、場合によっては主力選手の放出も十分検討されるべき選択肢である。

 まず、本題に入る前に重要な10/5ルールを理解しなければならない。10/5ルールとは10年以上のサービスタイムを持った選手が直近5年以上同じチームに在籍していた場合、MLBから選手に対してトレード拒否権を与えられるというルールである。これはチームが一方的に不利益を被るルールであり、チームを運営しているなら之について常に頭の片隅に置いておかなければならないルールだ。例えば、FAで獲得した選手と6年以上の契約を結んだ場合は、最期の1年に選手がチームに居場所がなくなったときこのルールでは選手をトレードできないから、GMができることはDFAか解雇のみになってしまう。そして、一般的に選手は加齢で能力が落ちる。そのため、基本的にFAを取れた選手は契約が進めば進むほどコストパフォーマンスが落ちる。

 このため、勝っているチームが主力選手を手放すことは合理的な選択である。例えば、先ほどと同じようにシーズン勝率が十分高いチームを想定する。先ほどは、この場合で控えの選手を放出することを提案したが、その前にAAAの状況、プロスペクトランキングを確認してほしい。もし、自前で用意できる、あるいは、トレードでいい若手を獲得できるのであれば、放出するべきは主力選手であるのかもしれない。

 なぜなら、MLBには10/5ルールがあるからだ。仮に今、10年以上のサービスタイムを持ち既に4年間同じチームに在籍している選手が運営しているチームにいるとしよう。この選手が生え抜きではなくFAで獲得したとしたのなら、大体この選手は33歳ぐらいだと思う。つまり、この選手は来年に10/5ルールの対象となり、彼は34歳になる。さて、この選手は来年、今年と同じような成績を残せるであろうか?。選手の成績は完全に予測することは出来ないが、一般的に34歳の選手は前年の成績から落ちる成績になるといっても平均的には間違いないだろう。

 そんな時、この主力選手を放出してはどうだろうか?。確かに、代わりとする選手が順調に成功するとは限らないが、私の経験論では代わりの選手が成功する確率と34歳の選手が前年度と同じ成績を残す確率は同じくらいだ。この経験論が正しいのなら、プロスペクトは最低年俸であるから財政的に得になるはずだ。さらに、シーズン勝率が高いチームの主力を放出するのであるから、戦力面でもそれなりの対価が得られるはずだ。きっとチームの弱点のポジションの選手か、プロスペクトのどちらかが手に入るはずだ。

 

2-5 どのチームに戦力を放出するべきか

 タンキングの懸念事項として、相手のチームの戦力が向上することと、主力選手や10/5対象になりそうな選手は年俸が高く、一部あるいは全部の年俸を負担しなければ放出できないといったことがあげられる。だが、実はOOTPではこれらはあまり問題にならない。なぜなら、選手を放出するときは相手チームを選べるからである。そして、これこそが、OOTPでは勝っているチームもワールドシリーズ制覇に支障を起こさずタンキングができる要因となっている。まずは、相手のチームの戦力が向上することについての対策を述べるとしよう。

 まず、どのような場合でも最高の戦力放出先は、同地区のチームだ。同地区のチームは自チームと最も対戦機会が多い。そのため、同地区のチームの戦力向上はタンキングの短期的な目的である「負ける」といった結果を最も効果的に生み出してくれる。さらに、相手チームのホームチームのチケット収入の20%は対戦相手に与えられるから相手チームが強くなり、相手チームの収入が大きく成れば、こちらも費用の回収が行える。だが、自チームが負けている中でタンキングを行うのか、勝ちながらタンキングを行うかの状況の違いによって同地区の中でも放出先が微妙に異なる。

 まず、自チームが負けている状況でタンキングを行うのであるなら、基本的に同地区の強いチームか、もう再建初めのチームがいいだろう。強いチームに放出すれば、そのチームはさらに強くなり、ドラフトでの順位が悪くなる。そのため、そのチームの黄金期が終わった際にわずかに残るプロスペクトの質が悪く成り、彼らの再建が長引くはずだ。これと同様に、再建初めのチームに主力選手を放出すれば、彼らはドラフト順位が上がり、タンキングを妨害することができる。

 次に勝っている際のタンキングであるが、これは基本的に再建中のチームに放出するべきだ。自チームが成功すればするほど、同地区の他のチームは失敗する。そうなると、同地区の他チームはドラフトでいい選手が獲得できるが、自チームはドラフトでいい選手が獲得できないことになる。これは非常にまずい状況だ。戦力均衡策が正常に機能するのであれば、自チームが高年俸かつ高年齢選手を多く抱えている時期に、他チームは若く全盛期の選手を多く抱えることになるからだ。これを防ぐには同地区のチームに戦力を流して勝率を上げてもらうしかない。さらに、10年契約で4年自チームに在籍してもらった選手を他チームに流せば、その選手は6年放出先のチームに居座ることになる。通常6年間もタンキングはしないから、うまくいけば、ドラフトで指名した選手が一人前になったときに、放出した主力選手の契約が邪魔になりタンキングが失敗してくれるかもしれない。
 ネガティブな話で私はあまり好きではないが、野球はスコアアタックではなく、他チームとの競争である。自分の利益を最大化するとともにライバルの利益を最小化しなければ競争に勝つことは出来ない。

2-6 タンキング中のFA補強

 さて、タンキングの際の懸念事項である「主力選手や10/5対象になりそうな選手は年俸が高く、一部あるいは全部の年俸を負担しなければ放出できない」ということとタンキング中のFA補強についての話は本質的部分で共通しているからまとめて話すことにしよう。

 まず、OOTPの財務について復習しなければならない。OOTPでの財務は、ざっくりいうと、10Mを超える現金を保有できないく、その保有金額を超える利益はオーナーのものに行くというルールになっている。つまり、OOTPではコストカットを行ってもそれをため込むことができずに、その年度内でそれを使い切らないといけない。とはいっても、保有現金10Mでは選手を買うには少なすぎるし、流動的なチケット収入の前には思い切った育成予算やスカウト予算を設定することは出来ない。ドラフトの契約金を無駄に上げることは出来るが、それはオーナーに資金を献上していることと本質的には同じだ。

 であるから、「主力選手や10/5対象になりそうな選手は年俸が高く、一部あるいは全部の年俸を負担しなければ放出できない」という状況なら、ためらわずに年俸を負担すればいい。チームが勝っているのであれば、年俸を負担しても利益の中で解決できるはずだし、負けている際は他の主力選手の放出でチームの年俸支払額が下がっているはずだから、全額年俸を負担しても他の選手でコストカットできているはずだ。もし仮にすべての選手の放出で年俸を全額負担することを要求されたとしても、そんな場合はオーナーが解決してくれるはずだw。逆にこれをためらい、10/5ルールでアクティブロースターに居座られたり、相手チームのプロスペクトの獲得に失敗する方がもったいない。何もしなければ主力選手は衰えていく一方で、予算はオーナーに献上されていくだけだから、高い金を使ってもプロスペクトを獲得したほうがいいだろう。それに、チームが勝っているのなら最終的にはオーナーに多額の金を献上することになる。財政基盤が強いほど、プレイオフ収入も多いからだ。

 そして、タンキング中のFA補強についてだが、これもなるべく行うべきだ。現実の野球界ではタンキングを行う際は予算をため込んで、プロスペクトが開花した際に、一気に放出しFA選手をそろえるが、OOTPではオーナーはそんなことはせず、すべて懐にしまう。であるから、コストカットをしても将来には役に立たない。さらに、タンキングをしてしまうと、ファンの関心は下がり、最悪の場合マーケットサイズが小さくなる。これは避けなければならない。資金をため込めない以上、勝ちに行くときは、その時準備できた予算で戦わなければならないからだ。であるから、タンキング中は人気のある選手を補強し、ファンの関心を引き留め、グッズ収入を向上させなければならない。

3.おわりに

 よく、負けているチームのファンは育成に切り替えるべきだというが、OOTPに限れば常に勝つことと育成することを同時に行わなければいいチームは作れない。この二つの要素を分離できるのはゲーム開始時期の数年だけだ。

 また、OOTPに限らず他のゲームにも言えることだが、根拠もなく意思決定してはいけない。それが間違いであっても、なにかしらの根拠があれば、その根拠をもとに軌道修正ができるし、最悪、反省して次のプレイにその経験を反映することができるが、適当にプレイしていた場合は反省することができない。

 このシリーズで以前にも述べたが、OOTPはセイバーメトリクス的な考え方でも攻略できるし、AIの特性を利用して攻略することも出来る。両方の攻略ができると、どちらを選べばいいか迷ってしまうかもしれないが、OOTPではどっちも選択することができ、効率的に勝ちたいのならどちらも採用しなければならない。OOTPを攻略するうえで大事なことはセイバーメトリクスとゲーム的な攻略のどちらかに固執しないことだと思う。

 最後に、私が普段考えているOOTPの攻略方法は書ききったから、いったんここでこのシリーズはお終いとする。新しく、攻略法を考え付いたら再開するかもしれないが、あまり期待はできないであろう。それでは、また逢う日までごきげんよう